北九州・小倉の美容皮膚科、銀座美容クリニック小倉院の空間デザインを担当。京都本院に続いて手がけた2院目です。理念「メイクアップよりベースアップ」の世界観は受け継ぎながら、小倉院ではアーチと光を軸に設計。ヘリンボーンの床、曲面の受付カウンター、灯りを仕込んだアーチのニッチ。同じブランドでありながら、この院だけの表情を持つ空間をつくりました。
課題・背景
- 4院目として、京都本院と世界観を揃えながら、コピーではない、この院ならではの個性が求められた
- 医療機器が並ぶ施術空間で、来院者に緊張感を与えない温かさをどう成立させるかが課題だった
アプローチ
- アーチ型のニッチに間接照明を仕込んだ「光だまり」を受付・待合・パウダールーム・廊下の各所に配置し、動線に沿って温かさが続く構成にした
- ヘリンボーンの床と曲面の受付カウンターで、扉を開けた瞬間の第一印象を設計した
クライアントについて
銀座美容クリニックは、「メイクアップよりベースアップ」を理念に掲げる美容皮膚科クリニックです。化粧で覆うのではなく、肌そのものの土台を整えることを治療の軸としています。小倉院は京都本院に続く院として2024年に開院。ツクルは京都本院に続き、空間のディレクションとデザインを担当しました。
Point 1|アーチの中に光を仕込む
小倉院の空間を特徴づけているのは、院内の各所に設けたアーチ型のニッチです。受付の背面、待合の壁、パウダールーム、廊下の突き当たり。それぞれのアーチに間接照明を仕込み、プロダクトや花がやわらかい光の中に浮かぶ構成にしました。
クリニックの照明は、天井から均一に照らすのが一般的です。この院では、光のたまり場を点在させることで、進むたびに温かさに出会う動線をつくっています。アーチは飾り棚であると同時に、院内の灯りそのものです。
Point 2|床とカウンターが、第一印象を決める
扉を開けて最初に目に入るのは、ヘリンボーンの床と、曲面を描く受付カウンターです。
無機質な白い床ではなく、住まいのような温もりのある木目。直線で区切るカウンターではなく、足元に間接照明を入れた曲面の造作。医療機関でありながら、構えずに入れる空気をこの2つがつくっています。緊張を抱えて来院する方の気持ちが、受付に辿り着くまでの数歩でほどけていく。その数秒の体験を設計しました。
Point 3|ブランドの軸は守り、院ごとの表情をつくる
京都本院と小倉院は、ベージュを基調としたトーンと、理念に基づく「整える」という思想を共有しています。一方で、京都本院が角を丸めるRの設計を軸にしたのに対し、小倉院はアーチと光を軸にしました。
多院展開において、すべてを同じにすればブランドは守れますが、空間は均質になります。軸は揃え、表情は変える。その設計の仕方こそが、ブランドを育てながら院を増やしていくための空間デザインだと考えています。